私は大学卒業後、公務員になりました。
大学時代は、将来の目標が何もなくて、友達とのんびりと楽しく過ごしていました。
就活シーズンになると、民間の合同説明会に参加していろんな企業を見ましたが、
当時そもそもやりたい仕事がなかったので、興味をひくような企業はありませんでした。
あと、「就活」という世間が作り上げた雰囲気自体が、どうも好きになれなかったのもあります。
一方で、公務員になるには、まず筆記試験があり、合格・不合格の客観的な結果があるので、
白黒はっきりしてて良いな、と思いました。
結果として、試験に受かり霞が関の門を叩いたのです。
しかし、公務員になって1年も経たないうちに、
辞めたい、と思うようになりました(10年近くいましたが)。
公務員試験で勉強した民法や憲法、行政法は実際の業務で使うことはまずなく、
毎日、資料のコピーや電話でのクレーム対応、夜は国会対応で終電・タクシー帰りもざら。
労働時間が長くて神経がすり減るのに、お金を稼げる訳でもなく、
かといって、下っ端とはいえ公務員なのに、何一つ社会のためになる仕事ができていない。
これで一生終えるのか。
そんな時、「LIFESHIFT」という本を読みました。
人生100年で考えたとき、20代前半で決めた勤め先で一生終えるのか、
30代でまるきり違う業界に転職しても、長い目で見れば大した差はないのでは、
と考えるきっかけになりました。
この本を読んで、改めて自分は何がしたいのか、毎日考えていましたが、
当時簿記二級に合格し、簿記って楽しいな、と思っていたので、
「会計資格の頂点っぽい公認会計士を目指そうかな」
とふと思い立ちました。
公務員試験と違って、公認会計士試験は資格試験なので、勉強内容がそのまま実務に使える、というのが、
当時の自分にとってすごく魅力的に見えたのです。
あとは、独立志向もありました。
バックグラウンドなく、いきなり独立開業は難しいかもしれませんが、
会計士資格があれば独立しやすいし、監査以外の分野でも活躍されている会計士がたくさんいる。
知れば知るほど、将来のイメージがわいてきたのです。
会計士試験の勉強を本格的に始めたのは、2015年頃だったと思います。
業務やプライベートが大変な時期もあって、時間がかかりましたが、
2020年に何とか合格することができました。
この試験は、一度ハマるとなかなか止められない、恐ろしい試験です。
社会人で自分のように長期戦になる人は、試験勉強にかけた年月が長い分、
後悔したくないので、諦めがつかないのです。
私は、一度目指した以上受かるまでやり続けることでしか、
その人が報われることはないと思っています。
会計士試験は公務員試験よりも難しかったので、大変は大変でしたが、
今は早く公認されて、次のステップに早く進みたいと思っています。
公認されてからが、やっと会計士人生のスタートですから。