自由になりたい

てか、自由っていったいなんだい

会計士試験は今後難化するのか?

先日、公認会計士試験の5月短答が実施されました。

受験された皆様、大変お疲れ様でした。

合格発表は6月下旬と1ヶ月ほど先になりますが、8月下旬の論文式試験まで時間もありませんので、「合格可能性」のある受験生は正式な合格発表を待たずに、論文対策に移っていらっしゃることと思います。

各受験生がこの「合格可能性」があるかどうかを判断するに当たっては、各資格予備校が予想する合格ラインを参考にしており、試験後はよくこの合格ラインがどの程度かの話題になります。

今回の試験後は、この予想合格ラインが思ったより高いSNS上で話題となっていました。

会計士試験にいったい何が起きているんでしょうか。

 

そうなる理由を端的に言えば、以下の2点でしょう。

公認会計士試験の受験生がここ最近は増加傾向にある

②一方で最終的な合格者数は例年と比べて横ばいか微増にとどまると予想されている

つまり、数年前と比べると、この試験に合格するのが少し難しくなってきているのです。

ここで私が合格した令和2年5月と、前回5月・今回5月の3年を比較してみましょう(今回の試験の予想数値はCPAのものを参考にしています。)。

 

《令和2年5月短答》

出願者数:9,383人

合格者数(率):722人(7.7%)

合格ボーダー:64%

《令和4年5月短答》

出願者数:14,958人

合格者数(率):780人(5.2%)

合格ボーダー:73%

《令和5年5月短答》

出願者数:13,794人

予想合格者数(率):約850人(6.2%)

予想合格ボーダー:70%

 

こうしてみると私が受験した令和2年5月よりも、昨年と今年とで受験者数が大幅に増加していることと、相対的に合格率が減少していることが伺えます。(令和2年→令和5年で出願者数は約1.5倍なのに対して、合格者数は1.2倍弱。)

ちなみに私が合格した令和2年5月は、私は上位4.2%に入ってましたので、比較的余裕のある合格だったのですが、仮に去年や今年の試験を受けていたとすると結構合格ギリギリの成績になる可能性もあったということになります。

もっと言えば、令和2年試験でボーダーギリギリで合格した人が仮に今回の試験に挑んでいたら、落ちている可能性が高いということです。

 

うーん、これは厳しい試験になってきましたね。。

 

会計士試験の人気が高まることは個人的に嬉しい気持ちもありますが、受験者数の増加に対して合格者数が追いついていないのは、受験生からしたら大変な状況ではないでしょうか。

 

いつまでこの状況が続くのかはわかりません。

しかし、受験生がやるべき受験対策は変わらないのだろうと思います。

それは予備校が言う出題頻度と重要度の高い論点(A〜B論点)を、できるだけしっかり対策していくことです。

私は受験時代、C論点はほぼ切っており(対策をほぼしない)、A〜B論点も最後まで完璧とは行きませんでしたが、結果的にはそれなりの上位成績で短答・論文に合格できました。こうして考えてみると、おそらく最終合格者ですらA・B論点が最後まで怪しい人が結構いるのではないかということです。

合格率が低くなってきたからと言って、ここで「全て論点をマスターしなければ受からない」と勘違いして、出題頻度が低くて難易度が高いC論点のようなものに時間を割くのは戦略ミスになりますので要注意です。

あくまで対策が必要なのはA論点とB論点であることは従来から変わらず、そこの取りこぼしを極力減らす対策がより重要となってきているのだと捉えるべきでしょう。

詰めが甘い人が落ちやすくなっているとも言えます。

 

試験に受かるためには、試験傾向に自分を合わせていくほかありません。

その材料は全て予備校が用意してくれますので、フル活用して頑張ればどんな年だったとしても受かるはずだと信じて。